2) 実用化技術調査 RFID(2)

IT実用化技術調査として、RFIDが実際の空港でどのように活用されているかをレポートします。
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RFIDは空港内での利用が世界規模で検討されている技術のひとつで、各地で実証実験が進められています。RFID導入により顧客満足度の向上、コスト削減、セキュリティの強化などが期待されています。

RFIDによる航空手荷物管理

航空手荷物管理技術としてRFIDを活用する取り組みは、10年ほど前から行われてきました。その最大の目的は、ロストバッゲージの削減です。

1990年代以降、バーコードタグによる航空手荷物管理が世界標準となりましたが、バーコードによる航空手荷物の認識率は平均70%前後で、その低さが問題となっていました。そこで航空業界では、より認識率の高い次世代タグとしてRFIDの適用が検討されるようになりました。
航空業界団体であるIATA(International Air Transport Association:国際航空運送協会)の2004年次総会では、2007年度を目処に航空手荷物タグへのRFID導入が決議され、標準化を進めています。

国内でも国土交通省主導によるRFID技術応用による航空手荷物管理システムに関する調査研究会が設立され、2001年には成田国際空港と海外4空港における回路印刷方式RFIDタグを使用した国際実証実験が行われました。
また2001年の米国同時多発テロ事件以降、これまで以上に航空手荷物管理のセキュリティ強化が求められ、RFID導入の動きが加速する傾向にあります。

航空手荷物タグへRFIDを導入するメリット

航空手荷物タグへRFIDを導入するメリットとして、

  • 運輸システムと空港内の作業の効率化…効率化によりコストが削減できる
  • ロストバッゲージの削減…紛失手荷物の返却にかかるコスト削減できる
  • セキュリティの確保…航空手荷物の所持者を迅速・確実に特定できる
  • 手ぶら旅行の実現…旅行者は手荷物搬送等の煩わしさから開放され、利便性が向上する


などが期待されています。

2004年頃からは、ラスベガスのマッカラン国際空港、香港国際空港、デルタ航空などで、実際に手荷物管理システムにRFIDが導入され始めました。
航空手荷物管理におけるRFIDは、現在では導入の実証実験段階を経過し、空港間の相互利用やコストの低廉化など運用システムとして実用化を検証していく段階にきています。

実証実験および導入例
  • ルフトハンザドイツ航空による長波帯を使用したRFIDの認識試験(1995年)
  • 英国航空によるヒースロー国際空港での4種類の周波数比較の実証実験(1998年)
  • 成田国際空港と海外4空港における回路印刷方式RFIDタグを使用した国際実証実験(2001年)
  • ラスベガス マッカラン国際空港におけるRFIDダグを使用した手荷物追跡システムの導入(2004年)
  • デルタ航空における手荷物追跡システムへの使い捨てRFIDタグ導入(2004年)
  • 成田国際空港とホノルル国際空港におけるUHF帯を利用したRFIDタグの日米相互運用検証実験(2004年)
  • 成田国際空港とジョン・F・ケネディ国際空港、バンクーバー国際空港、フランクフルト国際空港、スキポール国際空港とのRFIDタグ相互認識率検証試験(2004年)
  • 香港国際空港における手荷物管理システムへのRFID導入(2005年)
  • 関西国際空港・香港国際空港間のRFIDによる航空手荷物の自動認識実証実験(2005年)
空港手続きへのRFID利用

利便性を向上させるだけでなくセキュリティ確保につながるという観点から、空港手続きへのRFID利用が検討されています。
米国では偽造変造防止や空港内の乗客追跡のため、RFID搭乗券やRFIDパスポートの導入が検討されています。しかしながら、費用対効果やプライバシーの問題(RFIDタグによって追跡されることへの懸念等)など、世界的に標準化するにはまだ課題があります。

国内では、2003年から国土交通省主体による空港チェックイン手続きの電子化等に関する実証実験が行われています。2005年にはこの実証実験の3回目として、e-Passport連携実証実験が行われました。
一連の実証実験はいずれも、2002年に立ち上がった成田国際空港におけるe-エアポート構想の一環として行われています。

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