3) ナレッジマップの活用

第3回は、膨大な蓄積ナレッジを瞬時に把握・理解するための可視化手段であるナレッジマップについてです。
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 ナレッジを有効に活用するには、前回述べたナレッジ分類構造中に格納された様々なナレッジを大局的に理解する可視化機能を用いる事が有効です。これをナレッジマップと定義し、図3.1.に示す情報として提供します。

ナレッジマップ表示例
図3.1. ナレッジマップ表示例

 同図は、MDKWH(MultiDimensional Knowledge WareHouse)と定義する多次元・多階層の分類構造上に、複雑に入り組んだナレッジ情報を視覚的に理解するための表示手法です。直感的に理解しやすい様、2次元情報までデータをブレークダウンし、表示しています。これは、フィルタリング処理により得る事ができ、利用者に検索処理を意識させずに、システムにこれを自動実行させる事に特徴があります。

 ここでは、提示された2次元情報について、概観(マクロ解析)する事も、詳細に分析(ミクロ解析)する事も、或いは、同一条件(同一解像度)の下で、他の事象を観察する機能を提供する事で、様々な切り口からナレッジの分析を行う事ができます。一般にこれらの操作は、各々、「drill up/drill down/drill through」と呼ばれ、その分析概念を図3.2.に示します。

ナレッジマップ分析
図3.2. ナレッジマップ分析

 同図は、一例として「組織」次元と「専門分野」次元との2次元マトリックスをナレッジマップとして、専門性が高い程、輝度を高く表現しています。この例では、その組織が有する専門領域に着目し、この中の専門領域をドリルダウンする事で探している専門分野の専門家を特定する事ができます。 一方、ドリルアップにより、その組織はどの様な専門分野を有し、その中でも、特にどの専門分野に長けているか等々を容易に分析する事ができます。

 ナレッジマップ提供の目的は、利用者に適切なナレッジを提供する事にあります。例えば、解決すべき課題に対して参考となる登録済ナレッジがどこにあるかを容易に知らしめる事であり、或いは、解決すべき課題に対し適切にアドバイスできる人材は誰であるかを抽出し、提供する事です。

 前者を目的とする場合には、解決すべき課題分類を絞込み、その中にある評価の高いナレッジを見つけると言う操作により実現する事ができます。また、後者を目的とする場合には、解決すべき課題に属する専門分野を特定し、その専門分野の中で評価の高い人物を見つけ出す事で達成する事ができます。

 この様な観点から、ナレッジマップ上に表示すべき情報は、例えば、蓄積されているナレッジの第三者による評価情報であり、また、人物の専門性に対する評価情報であると考えられます。この様に、蓄積されるナレッジに対して、様々な分析情報を付加する事で、より実践的なナレッジマネジメント・システムとして機能アップする事ができます。

次回は、ナレッジに対する評価方法と、専門家に対する評価方法としての評価関数を取り上げます。

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