2) オープンソース活用方法

 安定性・性能・セキュリティ・品質に優れ、豊富なネットワーク機能等を有し、サーバOS占有比率を拡大しつつあるオープンソースの活用について、その具体的なシステム構築方法からステップを踏んで解説します。
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 オープンソースは継続的に進化し、十分実用水準にあり、表1に示す投資・維持費用面でのコストダウンが期待でき、かつ、性能・信頼性面での高安定なシステムを実現することができます。

表1 コスト比率概観
LinuxWindows
 初期コスト  ハードウェア100100
 ソフトウェア0-10100
 維持コスト  ハードウェア保守100100
 ソフトウェア保守0-50100
 アップグレード0-50100

※:Windowsを基準の100とする

その反面、周辺機器ドライバの供給不足やその完成度に起因する動作不良・不安定性、また、ディストリビューションが多岐にわたることによる非互換部分の存在、あるいは、日本語処理に関する動作不良への対処方法にも注意を向ける必要があります。

 特に、オープンソースを活用していくうえで、システム障害等のさまざまな発生課題に対して独力で解決すべきという、「User Own Risk」を認識し、リスク回避への対処費用や技術スキル習得・向上のための投資費用なども考慮した事前のTCO評価が重要です。

 ただし、オープンソースを事業とするサービスも充実し、これらのサービス活用により、上記リスクを回避する選択肢もありますが、商用OSに比較しIT技術者のスキルに依存する傾向が顕著であることを認識し、Linux固有の技術・ノウハウを拡充していくべきです。

稼動保証率に対する必要コスト
図2.1. 稼動保証率に対する必要コスト
 

システムを設計していくうえで、例えば、データ多重化※1、コールド/ホット・スタンバイ、クラスタリング等のシステム稼動保証設計も同時に進めます。
それは、図2.1.に示す通り、投資発生費用が稼働率設計値ごとに大きく異なるからです。

そこで、システム開発に際し、構築するサーバ群とその各々の稼動保証とを精緻に検討し、適切な投資計画を策定することが求められます。

Linuxサーバ用途別分析
図2.2. Linuxサーバ用途別分析

システムの構築にあたり、図2.2.に示す活用分野に関する統計データを参考に、上述のメリット、及び、リスクを考慮した独自設計方針を定め、推進していくのも一つのアプローチ方法と考えられます。

 以上を踏まえたうえで、それぞれの活用目的に合致した要件定義・仕様化・設計を行なうことが必要になります。

 次回は、オープンソースを用いたシステム構成方法について解説します。

※1 RAIDによるハードディスクへのデータ冗長記録、バックアップサーバへのデータ多重化記録、SAN(Storage Area Network)/NAS(Network Attached Storage)等を用いた大規模データ多重化記録方法等
◆参考文献
  • 小山内・前田・長尾. Linux適用モデルの分析と提案. 日立TO技報. No.7, 2002, p.58-63.
  • 小山内,前田,長尾. Linux適用モデルの分析と提案. 日立TO技報. No.7, 2001, p.58-63.
  • 羽根. オープンソースを利用したビジネスモデルの展開と課題. Computer Report. 2000, p.28-34.
  • 樋浦. Linuxにおける多国語対応の実際. Interface, 2002, p.95-105.
  • 藤田,藤枝,落水. オープンソーストソフトウエア進化. BIT. Vol.32, No.12, 2000, p.21-27.
  • 障害に強いWebサイトの舞台裏. Nikkei Internet Solution. 2003, p.28-33.
  • 平野. ここまできたオープンソースソフト・Linuxの世界. ITUジャーナル. Vol.32, No.6, 2002, P.20-29.
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