7) システム保守・運用
第7回は、システムの保守・運用上のポイントについて解説します。
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運用環境
サーバーマシンは,通常サーバー室やデータセンターなどに設置され,システム管理者が駐在する執務室と分離配置される場合が多く,またサーバー室への入室は厳しく制限されます。また,安定したサーバー環境を維持する上でも,緊急時以外の立ち入りは好ましくありません。そこでシステム管理者は,執務室に設置されるclient PCからネットワーク経由でサーバーに接続し,運用管理する事が求められます。
これらのサーバー運用条件を前提とするシステム環境構築について紹介します。
まず,セキュリティー確保の面から,SSHでの通信環境が予めサーバーに設定されているものとします。ここでは,client PC側Windows OS上で稼動するTera Term Pro 上で SSHを利用するための拡張モジュールであるTTSSHⅰを利用し,サーバーへのコマンドライン遠隔操作を可能とします。
サーバー上へのファイル転送手段として,FTPが一般に用いられますが,このプロトコルは通信を暗号化しないため,通信内容が傍受される危険性を孕んでいます。そこでファイル転送が必要な時に,上記TTSSH上でFTPを起動し,暗号化通信を保証するサーバーの遠隔管理・運用方法もあります。但し,日本語を扱う場合には,文字コードを適切に管理・設定する事が必要となります。
例えば,client PC側Windows OS上で稼動するFTP用GUIツールとしてのFFFTPⅱは,これを容易に制御できる機能が提供されています。一方,サーバー側で文字コード自動変換を行うProFTPD SJISパッチⅲの利用も可能です。
同様にVNCもSSHのポートフォワーディング機能を利用し,セキュリティーを確保する必要があります。サーバー側vncserverポートを閉じ,且つ,SSHポートを開放した上で,SSHクライアントであるTTSSHを使用する事でclient PCからvncserverへの接続が可能となりますⅳ 。
セキュリティー管理項目の一つにウィルス対策があります。従来,Windows OSを攻撃対象とするウィルスが大半でしたが,このところのLinuxの普及に伴い,これを攻撃対象とするウィルスへの防御が課題ⅴとなってきています。ウィルス対策ソフトウェアは,予め指定されたマウント・ディレクトリーに対して監視を行う「オンデマンド・スキャン型」,特定経路を通過するhttp, ftp, smtp, popの各プロトコルのパケットに対してリアルタイムに監視を行う「ネットワーク・スキャン型」,そして,smbプロトコルでの転送ファイルに対してリアルタイムに監視を行う「smbプロトコル・スキャン型」の3種類に大別され,シェアウェアの他,フリーウェアも提供されています。
当社ではイントラネットを複数のセグメントに分割し,セグメント間でのゲートウェイ監視を行うネットワーク監視型ウィルス対策の他,定期的に各種サーバーのマウント・ディレクトリーに対してチェックを行うオンデマンド・チェック型ウィルス対策を併用する有償パッケージを採用しています。
保守運用
各種サーバーを保守運用して行く上で,様々な知識・技術,また,経験が要求されます。これらを一朝一夕に確立することは困難であり,一つひとつ技術を構築し,経験を積んで行く事が必要不可欠です。これらのコストも含めた観点から,再度TCOを見直し,オープンソース活用の是非を判断して行く事も重要と考えます。
また,業務と直結する情報が保存されるサーバーは,システム障害に対する業務への影響を最小化する上で,稼動保証設計の他,データ多重化設計,データ・バックアップ保守設計ⅵも重要です。
一方,OS起動不能時を想定し,CD-ROMからブート可能なLinuxディストリビューションを予め用意しておく事も一つの方法であり,障害時の有効な活用手段である事も経験していますⅶ。例えば,KNOPPIXⅷを用いてOSを起動し,ファイルシステムを強制チェックし復旧させる方法ⅸ,或いは,同KNOPPIXにより起動させた障害サーバー上のデータを別マシンにコピーし,暫定運用する方法として活用する事もできます。
次回は、オープンソースを活用したシステムの導入事例について取り上げます。
- 京都産業大学. “Tera Term Pro と TTSSH のインストール”. (online), available from < http://www.kyoto-su.ac.jp/ccinfo/08_supports/08-teraterm_ttssh/print.html >, (accessed 2003-12-29).>
- 曽田. “FFFTP”. (online), available from < http://www2.biglobe.ne.jp/~sota/ffftp.html >. (accessed 2003-12-29).
- 辻川. “ProFTPD SJISパッチ”. (online), available from < http://www.hakusan.tsg.ne.jp/tjkawa/software/misc/proftpd-sjis/index.html >, (accessed 2003-12-29).
- “VNC on SSH with TTSSH”. (online), available from < http://www18.big.or.jp/~fujiwara/ikki/doc/vnc/vnc_ssh_tt.shtml >, (accessed 2003-12-29).
- Witten B. Does Open Source Improve System Security?. IEEE Software. Vol.18, No.5, 2001.9, p.57-61.
- 相田,林. 可用性,安全性に優れた分散ファイルシステムの実装と評価. Vol.102, No.693, 2003.3, p.137-140.
- インストール完全ガイドKNOPPIX3.3日本語版. 日経Linux. 2003.12, p.154-155.
- 独立行政法人産業技術総合研究所. “KNOPPIX3.3日本語版”. (online), available from < http://unit.aist.go.jp/it/knoppix/>, (accessed 2003-12-29).
- 北浦. “ファイルシステムを強制的にチェックするには”. (online), available from < http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/linuxtips/479useknoppix.html >, accessed 2003-12-29).


