2) デフォルトゲートウェイ設定

他の複数のネットワークとの通信を行うための中継点に設置されるゲートウェイについて、ここでは特にデフォルトゲートウェイに焦点をあてて解説します。
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デフォルトゲートウェイとは

 ゲートウェイは、複数のネットワークを結ぶ中継点に設置され、通信のプロトコルが異なる複数のデータ間を相互変換することで通信を可能にする仕組みとして機能します。ゲートウェイはFQDN (*1) が指定できますが、通常はIPアドレスを指定します。      
 また、デフォルトゲートウェイとは、所属するネットワークから他のネットワークに通信する際の標準の出入り口となるよう設定されたゲートウェイのことです。

 デフォルトゲートウェイを設定することで、ゲートウェイ未設定の全ネットワークに対するゲートウェイ設定を、一括で行うことができるというメリットがあります。

 デフォルトゲートウェイを設定しなかった場合、他のネットワークへ通信するためのゲートウェイが不明のため通信ができなくなります。
 またデフォルトゲートウェイを複数同時設定した場合、設定競合のため通信不具合が発生することから、通常はデフォルトゲートウェイを1つ設定します。一方、他ネットワークとの通信を行わない場合には、デフォルトゲートウェイは設定しなくても問題ありません。

(*1) FQDN (Fully Qualified Domain Name) とは、インターネットやイントラネットなどのTCP/IPネットワーク上で、ドメイン名・サブドメイン名・ホスト名を省略せずにすべて指定した記述形式のドメイン名のこと。

設定ファイルについて

 ここではLinuxにおけるデフォルトゲートウェイに関連する設定ファイルについて、設定の反映方法や設定の確認方法について解説します。

1. デフォルトゲートウェイ設定

 デフォルトゲートウェイは第1回で解説したNIC設定ファイル中でも設定可能ですが、NIC設定ファイルが複数あった場合、どのファイルにデフォルトゲートウェイ設定を記述したか覚えておく必要があります。 このためにデフォルトゲートウェイを複数設定するような人為的ミスが発生する恐れがあるため、ここでは/etc/sysconfig/networkに統一して記述することにします。

 /etc/sysconfig/networkの主な設定項目は以下の通りです。

設定項目設定内容
NETWORKINGサーバー起動時、ネットワーク機能そのものを有効にするかどうか指定します。通常は「yes」を指定します。
HOSTNAMEこのサーバーのFQDNを指定します。ホスト名の指定も可能ですが、通常はFQDNを指定します。
GATEWAYデフォルトゲートウェイのIPアドレスまたはFQDNを指定します。
GATEWAYDEVデフォルトゲートウェイと通信するデバイス名を指定します。通常は設定不要ですが、OSによっては設定しないとデフォルトゲートウェイが有効にならない場合があります。


設定例 (下記例はデフォルトゲートウェイに192.168.0.1、デフォルトゲートウェイと通信する「デバイスにeth0を指定している。)

NETWORKING=yes HOSTNAME=test.jfe-tec.jp GATEWAY=192.168.0.1 GATEWAYDEV=eth0


※DHCPサーバーより情報取得している場合、HOSTNAME、GATEWAY、GATEWAYDEVは省略できます。

2. HOSTNAME設定変更について

 前述の/etc/sysconfig/networkのHOSTNAMEに設定した名前とそのドメイン部分を抜いた名前は、通常127.0.0.1(自分自身を示すIPアドレス)を示す必要があるため、HOSTNAME 設定変更の際、ホスト名の静的な名前解決テーブルである/etc/hostsにて127.0.0.1を示すように設定します。

/etc/sysconfig/network にて「HOSTNAME=test.jfe-tec.jp」と設定している場合の、/etc/hostsの設定例は下記の通りです。
(下記例は、FQDNである「test.jfe-tec.jp」とそのドメイン部分を抜いた「test」を、127.0.0.1の行に追加しています。)

127.0.0.1  test.jfe-tec.jp  test  localhost.localdomain  localhost


 HOSTNAME設定はサーバーを再起動することで反映され、下記コマンドを実行することで設定反映内容が確認できます。

# hostname

3. ネットワーク再起動について

 デフォルトゲートウェイ設定は、変更しただけでは反映されません。設定を反映させるために、下記コマンドを実行してネットワーク機能を再起動する必要があります。ただし設定ファイルで「NETWORKING=no」を設定している場合、サーバーを再起動し、ネットワーク機能が無効になることを確認する必要があります。

# service network restart

4. 設定反映の確認方法

 デフォルトゲートウェイ設定を確認するにはnetstatコマンドを利用します。下記に例を示します。ただし設定ファイルで「NETWORKING=no」としている場合、デフォルトゲートウェイ設定は確認できません。

# netstat -rn

*netstatのオプションについて
  • -r = ルーティングテーブル (通信経路表) を表示します。
  • -n = ホスト・ポート・ユーザー等の名前解決をせず、数字のアドレスで表示します。


 netstat -rnを実行すると、ルーティングテーブル (通信経路表) が表示されます。ルーティングテーブルの内、DestinationおよびGenmaskが0.0.0.0となっている行のGatewayがデフォルトゲートウェイのIPアドレスを示しています。下記例は192.168.0.1がデフォルトゲートウェイであることを示しています。

netstat -rn実行結果表示例

Kernel IP routing table
DestinationGatewayGenmaskFlagsMSSWindowirttIface
192.168.0.00.0.0.0255.255.255.0U000eth0
192.168.200.00.0.0.0255.255.255.0U000eth1
0.0.0.0192.168.0.10.0.0.0UG000eth0


 ルーティングテーブルの主な項目は下記の通りです。

項目内容
Destination後述の「Genmask」項目と併せ、通信先を示します。
Gateway通信先と通信する際に経由するゲートウェイのIPアドレスを示します。「0.0.0.0」の場合、通信先と直接通信することを示します。
Genmask通信先のサブネットマスクを示します。「0.0.0.0」の場合、通信先はルーティングテーブルに表示されていない全てのネットワークを示します。「255.255.255.255」の場合、通信先は単一のIPアドレスであることを示します。
Flagsルーティングテーブルの状態をフラグ(アルファベットまたは記号)で示します。主なフラグは下記の通りです。
U: 通信経路の設定が有効であることを示します。
H: 通信先が単一のIPアドレスであることを示します。
G: ゲートウェイを使用することを示します。
!: 通信先への通信を拒否 (reject) することを示します。
Iface通信先ネットワークと通信するインターフェース (NIC) を示します。


次回は、クライアント側でホスト名とIPアドレスの名前解決を行い、インターネットWebサーバーへのアクセスや電子メール送受信をサポートする「DNSリゾルバー」の設定方法について解説します。

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